骨伝導ワイヤレスイヤホンと言えば耳を塞がずに使えるのが最大の特徴ですが、通常のイヤホンに比べて構造上どうしても音質が劣ってしまうという欠点がありました。
音声配信や動画視聴には全く問題ないのですが、BGMを聴く際にはやはり音質は良いに越したことはありません。しかしそんな欠点を劇的に改善した新しいモデル『OpenRun Pro』がShokzから発表されました!
目次
特徴
骨伝導ワイヤレスイヤホン特有の装着感の軽さはそのままに、
- 音質が劇的に改善され、特に低音がかなり強化されて自然な音質になった
- バッテリーがAeropexに比べて+2時間、合計10時間も持つ
- OpenCommで定評のある急速充電にも対応し、5分の充電で1.5時間持つ
- Bluetooth5.1対応で、起動時に接続スピードが非常に速くなった
- 充電ポートが底面から背面に移動したことでボタンが大きくなり操作性が向上
- 専用アプリでバッテリー残量の確認やイコライザー切り替え、ファームウェアアップデート可能に
価格
OpenRun Pro 1個 20537円
スペック
詳細スペックはこちら。
ブランド | Shokz |
商品名 | OpenRun Pro |
型番 | S810 |
色 | ブラック、ブルー、ベージュ、ピンク(ベージュとピンクは後日発売) |
装着方式 | 骨伝導ワイヤレス方式 |
Bluetoothバージョン | Bluetooth 5.1 |
対応プロファイル | A2DP, AVRCP, HSP, HFP |
周波数特性 | 20Hz~20KHz |
マイクタイプ | デュアルノイズキャンセリングマイク |
使用時間 | 最大10時間 |
待機時間 | 最大10日間 |
充電時間 | 60分(急速充電対応で最初の5分で約1.5時間使用可能) |
大きさ(ケース) | 幅 12.5cm x 奥行 15.0cm x 厚み 6.0cm |
重さ | 29g |
防塵防水性能 | IP55等級(粉塵が内部に入るのを防止し、水の直接噴流にも有害な影響を受けない) |
保証期間 | 2年間 |
カラバリが4色あるのは嬉しいです。
発売当初はこちらの2色展開。
僕は今までずっとブラックばかり使ってきたんですが、僕の手元にあるブルーも派手すぎずシックな色合いでめっちゃ気に入りました!
各モデルの違いをわかりやすく比較表にしてみましたのでこちらも参考にしてみてください。
各モデルの比較
モデル | OpenRun Pro | OpenMove | OpenComm | Aeropex | Aeropex Play |
位置付け | フラッグシップ | エントリー | ビジネス | フラッグシップ | 子ども用 |
Bluetooth バージョン | 5.1 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
バッテリー持続時間 | 10時間 | 6時間 | 16時間 | 8時間 | 8時間 |
重さ | 29g | 29g | 33g | 26g | 25.2g |
防水性能 | IP55 | IP55 | IP55 | IP67 | IP67 |
保証期間 | 2年 | 2年 | 2年 | 2年 | 2年 |
標準価格 | 23,880円 | 9,999円 | 19,998円 | 19,998円 | 19,998円 |
仕様&機能
Shokz OpenRun Pro を使ってみた感想
音質が劇的に改善された
「Aeropex」や「OpenComm」と音質を聴き比べてみましたが、音質が非常に良くなっています。低音が豊かになって、全体的に自然な音質になったイメージ。
骨伝導イヤホンの特徴は、一般的なイヤホンのように耳の中に直接装着してスピーカーによって生み出される空気の振動で音を伝える方式とは違って、耳を塞がずに骨を振動させることによって内耳に直接音を届けるという特殊な構造です。
その構造上、音質はどうしても一般的なイヤホンと比べるとどうしても劣ってしまうのですが、この『OpenRun Pro』は今までの骨伝導イヤホンと比較すると劇的に音質が改善されています。
また、もともと人が話す声は非常に聞き取りやすかったですが、変わらず聞き取りやすくWeb会議や音声通話にも全く問題なく使えました。
起動してから接続までの時間が速い
電源を入れてから接続完了するまでのスピードが速くなったと感じました。
電源を入れると音声アナウンスが流れるのですが、電源ON時の「Power On」から接続完了時の「Connected」までの間隔が非常に短く、あっという間に接続される間隔です。
突然着信があったり、急いで接続したいときには助かりますね。
装着感は相変わらず快適 ランニングにもピッタリ
Shokzの骨伝導ワイヤレスイヤホンの特徴の一つが装着感が非常に良く、長時間装着していても疲れにくいということ。『OpenRun Pro』も変わらずずっと付けていても快適です。
もともと構造的に耳の中にイヤホン本体を入れなくても良いので耳の中が痛くなったりする心配もないですし、フレーム自体の締め付けも適度な圧力なので良い感じにフィットしてくれます。
この長時間付けても疲れにくいというのは骨伝導ワイヤレスイヤホンのメリットでもあります。
僕はランニングをするときは骨伝導って決めてます。理由は「安心できる」から。
インイヤー方式の通常のイヤホンだとどうしても環境音が聞こえにくくなるので後ろから接近してくる自転車や車に気づきにくいんですよね。なので、突然視界に現れて驚くことが時々ありました。
しかし、骨伝導イヤホンを使い始めてから全くそんな心配をしなくてもよくなって、安心してランニングできるようになりました。
マイクの音質がまろやかになっている
先代の「Aeropex」のマイク音質と比較すると音質がまろやかになっています。なんとなく高音域の尖った部分が丸くなって全体的に自然な音質になりました。
実際に仕事のWeb会議や通話で使ってみましたが、もともと人の声は非常に聞き取りやすい特性ですし、こちらのしゃべる声も普通に相手に届いていて全く問題有りませんでした。
マルチポイント接続が便利
これはもともとマイクブームが付いたモデル『OpenComm』の裏技的な機能だったんですが、『OpenRun Pro』でもできました!
これは、同時に2台のデバイスに接続して片方で音楽流しながらもう片方に着信があったときに自動的に切り替わってくれるといった機能です。
マルチポイントモードにする手順
メーカーサイトやマニュアルにはあまり詳しく操作方法が書かれていないので、こちらにまとめておきます。
マルチポイントモードをONにする手順
- 同時接続したい2台のデバイスと通常の手順であらかじめ順番にペアリングしておきます。
- 電源がOFFの状態から+ボタンを長押してペアリングモードに移行します。
- ペアリングモードの状態で、+ボタンとマルチファンクションボタンを同時に3秒長押しすると「マルチポイント接続を開始します。」といった内容のアナウンスが流れます。
- +ボタンを長押してOFFにします。
- 再び+ボタンを長押して電源をONにすると、直近で接続していたデバイスと自動的に接続されます。
- 10秒くらい待っていると、「第2デバイスと接続しました」といった内容のアナウンスが流れて2台目に接続されます。
これで2台のデバイスに同時接続されました!
しばらく待っても2台目に接続されない場合は、接続したいデバイスのBluetooth設定から手動で接続すればOK。
これで2台同時に待受可能状態となります。
僕がよくやるのは会社で作業するときに私物のスマホでBGMを流しながら、仕事用のスマホの着信があったときにすぐに切り替えて通話するという使い方。傍から見ると通話を待ち受けているように見えるのですが、実はBGMを聴きながら快適に作業しています。
マルチポイントモードをOFFにする手順も念の為書いておきますね!
マルチポイントモードをOFFにする手順
- 電源がOFFの状態から+ボタンを長押してペアリングモードに移行します。
- ペアリングモードの状態で、ーボタンとマルチファンクションボタンを同時に3秒長押しすると「マルチポイント接続を終了します。」とアナウンスが流れます。
- +ボタンを長押してOFFにします。
OpenRun Pro の操作方法
本体右側のボリューム兼電源ボタンと、左側の振動部についているマルチボタンによって操作します。
よく使うのは電源ボタンと音量ボタンですね。
音量兼電源ボタンでの操作
- 音量を上げる:音量+を押す
- 音量を下げる:音量−を押す
- 電源ON:音量+を長押し
- 電源OFF:電源ON時に音量+を長押し
- ペアリング:電源OFF時に音量+を「ペアリング」とアナウンスが流れるまで長押し
マルチボタンでの操作
- 曲の再生・停止:1回押す
- 曲送り:2回押す
- 曲戻し:3回押す
- 電話を受ける・切る:1回押す
- 音声アシスタントを呼び出す:2秒間長押し
- 通話拒否:着信中に2秒ほど長押し
操作方法は従来のモデルと全く同じです。
着信応答時には一つ注意点があり、スマートフォンとペアリングしていて着信があった際は『OpenRun Pro』のマルチボタンで応答しましょう!スマホ側を操作して応答すると、自動的にマイクとイヤホンががスマホ本体側に切り替わってしまいます。
Shokz OpenRun Pro のデメリット
大音量にすると耳のあたりがくすぐったい
僕が『OpenRun Pro』を初めて使ったときに感じたことが2つあって、一つは音質が劇的に向上したこと。2つ目が「ちょっとくすぐったい」と感じたことです。
骨伝導イヤホンは骨に音を伝えるために細かく振動するわけですが、低音が強調されている分、振動が強くなっています。そのため、BGMの音量を上げていくとベースやボーカルの低音部分がちょっとくすぐったく感じます。
人の感じ方や曲によっても変わると思いますが、僕がくすぐったいと感じ始める音量はiPhoneとペアリングしている状態でだいたい70%〜80%くらいの音量から。YouTubeを観るときの丁度良い音量がだいたい50%〜60%くらいなので、それよりも大きい音量にするとくすぐったさが気になり始めます。
普段周りに人がいる場所でここまで音量を上げる機会があるかどうかわかりませんが、それなりに大きな音で聴きたいときはくすぐったさにある程度慣れる必要があります。
防水性能がIP55にダウンしている
『OpenRun Pro』の一番の惜しいポイントがこれです。
「Aeropex」の防水性能はIP67等級(一定の水圧で30分水中に浸けても問題ない)だったんですが、『OpenRun Pro』はIP55等級(粉塵が内部に入るのを防止し、水の直接噴流にも有害な影響を受けない)に下がってしまいました。
僕はなるべくガジェットをきれいな状態で使いたいタイプなので、ランニング後は必ずApple Watchもガーミンも骨伝導ワイヤレスイヤホンもサングラスも全て水洗いします。今までは水道水を流しながらジャブジャブと洗えていたのですが、『OpenRun Pro』をジャブジャブ洗うのは気が引けてしまって思いっきり洗えなくなってしまいました。
今は水をジャー!と勢い良く出すのではなく、チョロチョロと出してできるだけ勢いを抑えた状態にして軽く流し、すぐにタオルで水分を拭き取るようにしています。このやり方で既に何度か洗っていますが今のところ問題は出ていません。
音質とのトレードオフで防水性能が下がってしまったのかもしれませんが、ここは少し残念でした。
とはいえ汗や突然の雨なんかには全く問題ないほどの放水性能は持っているので、完全に水没してしまうようなことを避ければそこまで神経質にならなくても良さそうです。
まとめ
『OpenRun Pro』を使い始めてからしばらく経ちますが、ずっとメインで「Aeropex」を愛用してきた僕の正直な感想としては、「正常進化を遂げた骨伝導ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル」というべきモデルだと思いました。
防水性能が若干下がったのと少し重くなったのが唯一のデメリットですが、Bluetooth5.1に対応して接続が早くなり、バッテリー持続時間も向上、そして何より音質が劇的に向上していてかなり満足度が高い仕上がりになっています。
『OpenRun Pro』はこんな方におすすめ
- 骨伝導でも音質にこだわりたい方
- イヤホンをしながらランニングしていて後ろから突然出てきた車両に驚いたことがある方
- 長時間イヤホンをしていて耳が痛くなったことがある方
- イヤホンしたいけど来客対応など環境音にも対応しなければならない方