本記事ではIntel版最後のMacBookと16インチM1 ProMax MacBook Proを比較していく購入を検討している人は参考にしてもらいたい。

M1 Pro/ Max MacBook Proの概要

ディスプレイ16インチ
16.2インチLiquid Retina XDRディスプレイ
3,456 x 2,234、254ppi
ProMotionテクノロジーによる最大120Hzのアダプティブリフレッシュレート
最大1,000ニトの持続輝度(フルスクリーン)、1,600ニトのピーク輝度
1,000,000:1コントラスト比
デザイン・カラー
スペースグレイ、シルバーの2色展開
サイズ
Intelモデルと比べて、M1 Pro/Maxモデルは高さ(厚み)が0.06cm増加し、重さは100g〜200g増加している。本体重量は、M1 ProとM1 Mって内部構造が僅かに変わる可能性がある。なお、14インチモデルはM1 ProとM1 Maxに重量差はない。

ストレージ
M1 Pro/Maxモデルは、Intelモデルと同じストレージ構成が選択可能。SSD性能は向上しており、最大7.4GB/sに達するスピードを実現しているという。MacBook ProのSSDは業界トップクラス。読み込み速度や処理性能を追い求めるのであれば、外部ストレージに頼らず内蔵ストレージの拡張をおすすめする。

メモリ
M1 Pro/Max MacBook Proは、16GBでメモリを標準搭載している。M1 Proは最大32GB、M1 Maxは最大64GBまでのメモリを選択できる。従来のIntelモデルでは「とにかく積めるメモリは積んでおけ」というイメージがあったが、Appleシリコンはユニファイドメモリを採用。Appleの優れた最適化により、少ないメモリで快適に動作する。

外部ポート
M1 Pro/Maxモデルは、2015年のMacBook Proにあった外部ポートが復活。SDXCカードスロットとHDMIポートが復活し、USB-Cドックやハブなどを使わずにSDカードの読み込み、外部ディスプレイの出力が可能になった。MagSafeポートも復活し、マグネットで本体を充電できる。HDMIポートは「HDMI 2.0」仕様。最大4K@60Hzの出力に制限されており、より高解像度のディスプレイを出力する場合はThunderbolt 4ポートを使用する必要がある。
Thunderboltポートは、Thunderbolt 3からThunderbolt 4にアップグレード。しかし置き換えたIntelモデルが4ポートだったのに対し、ポート数は3つに減らされている。
MagSafeポートは急速充電に対応。利用には、同梱されている140W USB-C電源アダプタが必要だ。Thunderbolt 4ポートからも従来どおり充電可能だが、急速充電は利用できない。

チップ・パフォーマンス

16インチモデル用には「M1 Pro」と「M1 Max」が発表された。CPUは、高性能コア8つと高効率コア2つが組み合わさった10コア構成。14インチモデルは8コア構成もあるが、16インチモデルは10コアが標準となっている。M1 ProとM1 MaxにCPUの性能差はない。GPUは、M1 ProとM1 Maxによって選択できるコア数がことなる。M1 Proは16コアのみだが、M1 Maxは24コアと32コアが選択肢に加わる。
メディアエンジンは、共通してハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAWをサポートし、ビデオデコードエンジンが用意されている。32コアGPUモデルは唯一、ビデオエンコードエンジンとProResエンコード/デコードエンジンが2つずつ搭載されている。

カメラ・スピーカー
M1 Pro/Maxモデルのカメラは、待望のフルHD(1080p)をサポート。一段と明るい絞り値(f2.0)で、一段と多くの光を取り込めるレンズを採用している。
オーディオ
マイクとスピーカー性能も向上した。マイクはノイズフロアをさらに下げ、よりクリアな通話や音声録音を実現している。Intelモデルに搭載されていた、原音に忠実な6スピーカーサウンドシステムは、さらに進化。2つのツイーターと4つのフォースキャンセリングウーファーを備えたことで、低音域を80パーセント多く再生できるという。空間オーディオにも対応する。
まとめ
16インチMacBook Proは、2年ぶりとなるアップデートだ。Appleシリコン化し、スペックも大幅にアップデートされた。あらゆる作業の処理時間が劇的に短縮されるだろう。
特に注目は、M1チップの弱点とされていたGPU性能の飛躍。M1 Max MacBook Proの32コアGPUのベンチマークスコアによると、M1 MacBook Proの3.2倍、16インチMacBook Pro(2019)の最上位GPUの1.3倍の性能を記録している。
従来モデルよりわずかに大きくなり重くなったが、代わりに連続駆動時間が数時間以上長くなった。バッテリー駆動でもパフォーマンスは落ちず、電源が確保できなくても作業を続けられる。従来ポートも復活し、USB-Cハブやドックが不要になった。現場で作業を行うクリエイターにとって、嬉しいアップデートだろう。
なおM1 Pro/Max MacBook Proは、14インチと16インチに性能差がない。14インチモデルのディスプレイ解像度は、Intelの16インチモデルとほぼ同じだ。16インチモデルからの買い替えだからといって、16インチモデルを選ぶ必要はない。持ち運びや外部ディスプレイ使用の有無など、自分の使い方に合わせて最適なM1 Pro/Max MacBook Proを選んでもらいたい。